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御園の花
Mon.28.11.2011 Posted in 愛知県
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 愛知県北設楽郡東栄町御園にて、11月第二土曜日から日曜日にかけて行われる、御園の花を平成17年、平成21年、平成23年の三回探訪した。

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DSC_misono0078 posted by (C)dankichi0423
(御園の花 「榊鬼」根扱ぎの榊を持つ 威風堂々)

 北設楽郡東栄町御園は、愛知県の東北、奥三河と呼ばれる地域に位置する、山深く高標高の集落である。高標高ということもあり、天文台があるというユニークな集落である。
 花は、一般的には「花祭」と呼ばれている神楽で、三遠南信に広く分布する「霜月神楽」である。花は、一年を経て穢れ衰えた人間の心身を、勧請した神々と交遊することで清めを受け、新たな生命力が得られるとされる再生のおまつりである。花は、奥三河地域に現在御園を含めた15地区において伝承されている。花の詳細は、早川孝太郎の著書「花祭」に詳しいのでそちらを参照されたい。

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DSC_misono0002 posted by (C)dankichi0423
(御園の花 舞庭全景 おまつりの前に…)

 御園の花では、元小学校を転用した集会所の建物を会場として、舞庭(まいど)とよばれる空間を設営し、天井中央にはびゃっけ、湯蓋、十二支の添え花、また四方にはざぜちが装飾される。舞庭の中央には竃が据えられて、神座(かんざ)を背面にして竃の前を正面としている。竃は五徳式である。
 御園の花の次第は以下のとおりである。
 〇神事 1.滝祓い 2.辻固め、高嶺祭り 3.天の祭り 4.お湯立て、神よせ 
     5.宮渡り、氏神迎え 6.切目祭り 7.釜祓い 8.しめおろし
 〇舞  9.ばちの舞 10.式さんば 11.地固め(扇・棒塚・剣)12.一の舞 13.山見鬼 
     14.順の舞 15.花の舞 16.祈願祭 17.三つ舞(扇・棒塚・剣) 18.榊鬼
     19.火のねぎ 20.すりこぎ・しゃもじ 21.みこ・おさんど 22.おきな
     23.四つ舞(扇・棒塚・剣) 24.湯ばやし 25.朝鬼 26.獅子
 〇神事 27.ひいなおろし 28.宮渡り・氏神送り 29.しづめ祭り 30.外道狩り

 土曜日の午後から夕方にかけ、花太夫、助太夫、宮人により辻固め・高嶺祭りからしめおろしまでの神事が行われる。神事は厳粛そのものであり、緊張感が辺りを支配する。舞庭外では明るい日差しが次第に赤みを帯びてきている。 夕方、日差しが大きく傾いた頃、舞の魁、ばちの舞が舞われる。御園のばちの舞は、花太夫により舞われるが、老練の渋み溢れる優雅な舞で、白眉である。甲乙つけてはいけないが、私は御園の花太夫のばちの舞は一番大好きな舞である。

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DSC_misono0025 posted by (C)dankichi0423
(御園の花 「ばちの舞」 渋み溢れる優雅な舞)

 ばちの舞が終わる頃、日はすっかり暮れ、夕食の休憩に入る。せんじで夕食を頂く。白いご飯、赤出汁の味噌汁、けんちんと呼ばれる煮物、漬物。男衆が準備してくださった料理は、どんなご馳走よりも美味しい。思わず熱燗のお酒が進んでしまう。堪能しているうちに、舞庭から式さんばの始まりを告げる楽の音が聴こえてきた・・・
 地固め、一の舞は青年の中から舞上手の者があたるため、エネルギーが漲っている。一の舞では、手に採る笹の葉で観客を祓うのだが、エネルギーを放出する如く舞庭を駆け巡るのである。一の舞の頃には、内外の花好きの老若男女が舞庭に次々と集まり始める。
 やがて赤や黒の伴鬼が舞庭に出てくると「トーホヘテホヘ トーホヘテホヘ テーホトーヘトホヘ!」と囃す声が観客から次々と発せされる。やがてその声に誘われるかのように、剣鉾を採った山見鬼が舞庭におりてくる。山見鬼は舞庭の五方を睨み、へんべと呼ばれる反閇を踏んで、舞庭を去る。
 日付も変わろうかとする頃、舞庭では可憐な花が次々と咲く。花の舞である。幼子による舞上げや小学生が懸命に舞う扇・湯桶・盆などの舞は見ていても美しい。観客もしばし見惚れるのである。

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DSC_misono0090 posted by (C)dankichi0423
(御園の花 「榊鬼」 松火を叩き落とし 火の粉が散る)

 辺りは冷えてきて身が縮まる深夜、榊鬼が舞庭に現れると、舞庭は再び熱気に包まれる。榊鬼は根扱ぎの榊を手に威風堂々舞庭を巡る。やがて鉞に持ち替えて五方を睨んでいると、助太夫に咎められ問答を行う。榊鬼は助太夫の持つ榊の枝を引き、やがて、へんべを行う。へんべの時には筵と半紙をおき、その上を踏む。榊鬼は手に持つ鉞で、その目を照らしていた松火を叩き落とし、竃やせいとのたき火を引っ掻き回す。火の粉が散り、煙が立ち込め、騒然となる。混沌とした中、榊鬼は舞庭から去る。
 夜が白み始めた頃、すりこぎ・しゃもじ、おさんどが現れる。すりこぎしゃもじは観客に味噌や飯を塗り付けようとし、観客は悲鳴を上げて逃げ惑う。おさんどは、男をしきりに誘惑し、まぐわう。舞庭が再び混沌とする中、みこが静々と舞庭を巡る。その伏せられた色気は大変美しい光である。
 四つ舞が始まる頃、すっかり夜が明け、舞庭には朝日が差し込む。四つ舞は青年の舞の中でも舞う時間が長く激しく困難な舞である。舞上手たちの顔も苦痛にゆがみ、汗がしたたる。観客は舞手たちを励ますが如く、「テホヘ!」と囃す。
 四つ舞の剣の手が終わる頃、舞庭が人で溢れかえる。湯ばやしの始まりである。ゆたぶさを持つ若者が現れ舞い始めると、観客みな湯が浴びせられるのをいつか何時かと待ちわびるのである。舞庭がざわついた。見ると、花笠をかぶり、顔に落書きをした子供達、裸に藁筵をかぶり変装した若者たち・・・変装軍団の出現は、間もなく湯が浴びせられる合図でもある。舞庭のエネルギーは頂点を迎える。さあ片手湯立てだ、さあゆたぶさを釜につけたぞ、まだか、まだか・・・
 わっと歓声が上がると同時に湯がほとばしった!舞い手たちが湯を浴びせたのだ。変装軍団、観客達もゆたぶさや笹で湯をところ構わず浴びせはじめる。舞庭は湯気がたち湯がほとばしり、混沌としている。やがて釜の湯がなくなり若い舞い手は最後の力を振り絞り烏飛びをする。観客から大きな拍手が送られた。
 
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DSC_misono0138 posted by (C)dankichi0423
(御園の花 「湯ばやし」 ほとばしる湯の飛沫)

 朝鬼、そして最後の獅子が終わったのは翌日曜日のお昼前であった。
 舞が終わり、神事が行われる。ひいなおろしは、湯蓋と十二支の添え花が降ろされる。外では、氏神様を乗せた神輿が社へ送られていった。神輿を見送りながら、人々は花の余韻の中、こう思うのだ。「また来年。」



※この度の写真掲載に当たり、御園花祭保存会の了解を得て掲載いたしました。また、助太夫尾林克時様、若連の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて御礼申し上げます。また、来年以降も是非花見舞いに伺いたいと思います。
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