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大償神楽 春の舞
Tue.05.06.2012 Posted in 岩手県
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 平成24年4月22日(日)、岩手県花巻市大迫町内川目にある神楽の館で行われた、大償神楽 春の舞を探訪した。
 大償神楽は、岳神楽と共に「早池峰神楽」と総称されており、約500年前から修験山伏によって伝えられてきた「山伏神楽」であり、ユネスコの世界無形遺産に登録された、大変有名な神楽である。大償神楽は、大償集落にある大償神社に奉納される神楽であり、毎年、舞初め、春の舞、大償神社例大祭、舞納めを、神楽の館で奉納されている。また、早池峰神社例大祭宵宮、例大祭にも奉納されている。春の舞は、例大祭の奉納などと異なり、大償神楽で多く舞われている狂言を中心に、普段滅多に舞われない珍しい演目が見ることができる、大変珍しい機会である。私は約10年前にも訪問しており、今回が2回目だが、躍動感あふれる舞のイメージとは裏腹の、滑稽で笑いが絶えない狂言が印象的であった。 
 22日は、開始する時間よりも早く神楽の館に到着した。神楽の館は、明治時代の民家を移築して、神楽の練習や奉納に使われている建物である。新しく家が建て直されてきている中、残っている数少ない古民家である。「おはようございます」戸を開けて中へ入ると、集落のお母様たちが机でお茶を飲み談笑していた。来意を伝えると、「ほら、あんたも一緒にお茶飲みなさい。お菓子もあるから。きりせんしょ(この地域独特のお菓子)もあるよ!」と勧めて頂き、輪の中に入れて頂いた。お母様達は、今日の奉納の後に行われる直会の準備で、早く集まられていたのである。ひとしきり話が弾むと、「さあ、はじめよっか!」てっきり、準備が一段落して休憩されておられると思ったら、「なあに作戦会議よ」と屈託もなく笑っておられた。皆様が手際よく直会の準備をされている間、私は囲炉裏で暖まり、しばし始まるのを待っていた。
 時間がたつにつれ神楽衆も集まり、観客も集まってきて、午後からいよいよ始まった。 演目は、式舞、神舞等、狂言をバランスよく組み込み、最後は権現舞である。
 ここで早池峰神楽の舞について簡単に説明する。舞には神楽を奉納するとき必ず舞われる、清め招魂託宣などの内容の「式舞」とその裏舞とされる「裏式舞」、古事記や日本書紀などを題材にした「神舞」、女性が主役の「女舞」荒々しい舞の「荒舞」、神楽の最後に必ず舞われ、無病息災五穀豊穣火伏などを祈祷する「権現舞」などがある。また、舞には、面を付けて神となり舞う「ネリ」と、面をとって人間となり華やかに舞う「クズシ」がある。大償神楽は、大変優雅でおおらかな舞振りである。

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DSC_ootugunaiharu0007 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「鶏舞」三世代による伝承の舞)

 まずは「鶏舞」。舞台を清めはらう舞とされ、必ず最初に舞われる式舞である。今回の鶏舞は、お祖父さんとそのお孫さんの三世代による舞であった。お祖父さんの老練な舞に、お孫さんの緊張感あるも懸命な舞が印象的であった。

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DSC_ootugunaiharu0018 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「小山の神」 刀が抜けない・・・)

 続いて「小山の神」。小山の神は裏式舞といわれ、式舞の「山の神」を道化たものという。舞の構成は山の神とほぼ同じで厳粛な舞が続くが、途中刀を抜こうとするが抜けない、道化に転じる。何度抜こうとしても抜けないので、観客に鞘を持たせて抜こうとするも抜けない。観客からも笑いが起き、盛り上がる瞬間である。やっと抜けたと思ったら、なんとも抜身の短い刀・・・また観客から笑いを誘う。

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DSC_ootugunaiharu0035 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「手つるぎ」クズシの剣くぐり)

 続いて「手つるぎ」。手つるぎは、三人舞の荒舞である。荒面によるネリから、面を外して舞うクズシになるのだが、クズシでは、三人お互いの剣をくぐりあうという、大変アクロバティックな舞である。

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DSC_ootugunaiharu0048 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽 狂言「狐とり」 マタギと狐の攻防)

 続いて狂言「狐とり」狐をとるマタギが面白おかしく笑いを誘う。東北言葉なので、分からないことも多いが、身振り手振りで、なんとなく笑える。マタギが狐が化けた女をあの手この手で口説くところ、狐とりをするところは、大変面白かった。

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DSC_ootugunaiharu0060 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「注連切」)

 続いて「注連切」。この演目は、初めて見る、滅多に演じられない珍しい演目である。真剣で注連を切るところは、思わず息をのんだ。

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DSC_ootugunaiharu0083 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「天降り」神楽の真骨頂クズシ)

 続いて「天降り」。神舞でお馴染みの舞である。猿田彦命の勇壮なネリも素晴らしいが、クズシが優雅な中に荒々しく素晴らしかった。実は私は早池峰神楽では、クズシが大好きである。四人が息を合わせて、流れるように、荒々しく舞う様は、早池峰神楽の真骨頂だと思っている。
 花のご披露口上をはさんで、狂言「箱根番所」。芸事好きな箱根番所の役人は、芸達者なものが芸を披露するたび、身に着けているものを与え、最後は、一緒に踊りだし、帯を解いて男根を振り回して幕入りするのだ。思わず唖然として。シャッターが切れなかったのは残念であった。

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DSC_ootugunaiharu0095 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「天照五穀」天照大神の威風堂々美しいネリ)

 続いて「天照五穀」。これもまた神舞ではお馴染みの演目である。女五穀とも言われ、天照大神のネリが威風堂々で美しく素晴らしい。歌舞伎の世界でも「位取り」と言われるように、神楽においても、男の神、女の神、それぞれ異なるため、舞い手は熟練を要するだろうと感心する。

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DSC_ootugunaiharu0118 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽「くり獅子」シコ取りの道化)
 
 最後は「くり獅子」。祈祷権現舞であるが、権現の舞手の後ろで控える「シコ取り」が、道化た所作を多く行うのが面白い。これも滅多に見られない演目である。

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DSC_ootugunaiharu0125 posted by (C)dankichi0423
(大償神楽 直会 御祝(ごいわい)が神楽衆によって歌われる 楽しいひと時)

 おまつりの後で・・・神楽が終わった後、直会を一緒にかたらせて頂いた。直会の席は、神楽衆や観客が共に酒食をとって、神楽について語り合えることが楽しく、また、観客同士で新しい御縁ができたり、何とも得難い時間である。お母様達の山菜の手料理に日本酒、ワイン・・・大変ご馳走になり、本当にありがとうございました。(お酒が入ったため、行き帰りはタクシーを使ったことを記しておきます。)



※この度の写真掲載に当たり、大償神楽保存会の許可を頂き掲載いたしました。また伊藤均保存会長、佐々木偉夫保存会事務局長はじめ神楽座中の皆様、集落のお母様には大変お世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げます。 機会がございましたら、再訪したいと思います。
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