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早池峰嶽流石鳩岡神楽 古峰講中祭 
Sun.10.06.2012 Posted in 岩手県
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DSC_komine0001 posted by (C)dankichi0423
(新地稲荷神社 古峰講中による準備) 

 平成24年5月2日(水)、早朝5時、岩手県花巻市東和町新地の新地稲荷神社に、新地集落の古峰講中の面々が一人、また一人と集合した。今日は古峰講中祭で、これから社内を清掃し、幟を立て、準備を行うのだ。古峰講中とは、栃木県鹿沼市にある、火伏の神である古峰神社を信仰する講の集まりである。新地稲荷神社内には、古峰神社も勧請していて、祀られている。講中の人々は手際よく黙々と、拝殿内、神楽殿の清掃、境内の落ち葉の清掃を行い、最後は鳥居脇の幟立てに、幟を立てて、全ての作業が終わったのは、午前6時前だった。

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(新地稲荷神社 神楽殿にある 「権現舞の絵」)

 今日の古峰講中祭には、早池峰嶽流石鳩岡神楽が招かれ、神降ろしをし、奉納を行うのである。
 一旦宿に帰った私は、正午前、石鳩岡集落にある神楽宿を訪ねた。すると神楽衆が一人、また一人と集まってきて「やあ、よく来たね。」と暖かく招いて下すった。そして、衣装、面、鳥兜、太鼓など手際よく詰めて、車に載せる・・・私も何度も訪問しているので、荷物運びを手伝わせて頂いた。
 この古峰講中祭、神楽衆にとっては特別で、緊張感のある奉納なのだそうだ。というのも、「新しい」人のお披露目だったり、演目のお披露目だったり、これまで経験のないことへの挑戦「登竜門」の場なのだ。今日は、新しい演目への挑戦をする神楽衆が数人。大変楽しみに思い、神社へ向かった。
 神社へ着くと、荷解き、幕かけ、そして、楽屋作りを始めた。新地稲荷神社の神楽舞台は、楽屋が狭く、外に御座を敷いて、楽屋にするのだ。そして、今日はあいにくの曇天で、小雨も多少ぱらつくため、急遽、ビニールシートを掛けて、屋根代わりとした。
 神社には人が集まりだした。講中の人達、そしていつもVTRをまわす神楽衆のTさんのおじさん、民俗芸能を求め、全国を探訪しているカメラマンのTさん、そして、古峰講中祭には必ず顔を見せるというYさんである。Yさんは、神楽衆の正光さんから聞かされていたので、お会いしたかった方であった。集落の小さなおまつりが本当に好きなYさんの人柄に感じ入った。そして、私の妻が遅れて到着した。初めて石鳩岡神楽を見に来てくれたのだ。

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「神おろし」)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 楽屋の様子)

 午後2時、いよいよ古峰神社の石碑にて、権現様を奉じて、神降ろしが始まった。神降ろしの最中、楽屋では、衣装の着付け、鳥兜の被りなど準備に追われていた。普段、楽屋などは建物内にあり、さすがの私でも勝手にはいる事は許されていない。しかし先述のとおり、今回はオープンな楽屋のため、様子をうかがうことができたのだ。神楽衆のTさんは、この後新しい演目を舞うためか、心なしか緊張感が漂っていた。

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DSC_komine0037 posted by (C)dankichi0423
(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「鶏舞」)

 幕の初めは式舞が続く。その魁は「鶏舞」だ。鶏舞は、神楽衆の若手期待の星であるHさんとTさんが舞った。清め祓いの舞にふさわしく、どんどんと反閇を踏み、鶏が舞い跳ねるが如く軽やかに舞いのけた。私(も含めて神楽衆の師匠連もそうだろう)は、その素質熱意がが十分に備わっているので、この二人に大いに飛躍を期待している。

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「翁舞」)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 胴取り)

 続いて「翁舞」。憲文会長が舞った。この翁舞、前半は動きが少なく、後半は一転動きが大きくなることから、本当に熟練と経験を要する、難しい舞である。例えが飛躍するが、人形浄瑠璃文楽の故吉田玉男師匠も、若き日は手数が多かったが、熟練と経験から次第に手数を削り減らし、全盛期は少ない動きで役を表現されて、観客を魅了されていらっしゃった。憲文会長も、翁舞を熟練した舞振りで舞われていた。

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「三番叟舞」)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「三番叟舞」)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「三番叟舞」のあとで・・・)

 続いて「三番叟」。先ほど「鶏舞」を舞ったTさんが、今日初めて披露する。その心中如何ばかりであっただろうか・・・幕で反閇を踏み、舞台に現れてからは、緊張も見られたが、懸命に、軽やかかつ滑稽な舞を舞い上げていらっしゃった。舞い終わった後、楽屋へ向かうと、疲れた中にも安どの表情が印象的だった。お疲れ様でした、Tさん。これから益々の飛躍を!

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「八幡舞」)

 続いて「八幡舞」中堅の康一さんと、若手で舞上手の健さん。八幡舞は二人舞で非常に勇壮な舞振りが多く、息が合わないと美しく「キメ」られない。しかし、ふたりは経験十分、勇壮な舞振りを見せて頂いた。

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「山の神舞」ネリ)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「山の神舞」クズシの最後)

 続いて「山の神舞」。師匠の一人、収さんが舞われた。現在山の神舞は収師匠がほとんど舞われておられる。勇壮かつ威風堂々な「ネリ」、神がかりの境地で非常に荒々しく舞う「クズシ」を熟練な舞振りで舞われた。私達夫婦は、今冬から収師匠の「山の神舞」にある願掛けを行っている。私はファインダーを覗きつつ、妻と共に、山の神である大山祇命に願いを捧げた。

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「岩戸開舞」)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「岩戸開舞」志郎師匠の眼差し)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「岩戸開舞」クズシ)

 続いて「岩戸開」。普段は「本開き」といわれる裏式舞が舞われることが多いが、今回は式舞を舞うということで、初めて見ることとなった。まずは思兼命が現れて舞う。中堅の康一さんが舞うのだが、これまで翁ものは「松迎」は舞ったことがあるものの、初めてで、かなり緊張をされていた。またその様子を師匠である志郎師匠が優しくも厳しい目でご覧になられていたから、益々緊張されたことだろう。しかし、康一さんは緊張の様子もなく、思兼命を思慮深い神の位取りで舞われていた。そして収師匠の手力男命が現れて、幕を開けると、天照大神等神々が現れて、舞台を廻り、クズシになった。クズシには若手のHさんTさんも初めて舞われていたが、師匠、先輩と共に勇壮かつ軽やかなクズシは大変美しかった。

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「諷誦舞」面に祈る)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「諷誦舞」ネリ)

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(古峰講中祭 早池峰嶽流石鳩岡神楽奉納 「諷誦舞」クズシ)

 続いて「諷誦舞」。若手きっての舞上手健さんが、舞い始めてもう二年ほどになるそうだが、今や彼の十八番である。舞の前、楽屋に向かうと、支度の終った健さんが、諷誦の面を前に祈りを捧げている。舞い手は皆、舞う前に必ず神である面に向かい、祈りを捧げるという。健さんの真摯な心が十分に伝わって来た。「サンヤー」の舎文で始まり、胴、手平鉦、笛が奏でられて、幕が荒々しく振り回される。諷誦の出現だ。荒舞の真骨頂である諷誦。健さんは、荒々しく、神々しく華麗に舞いつとめた。個人的感想を書くべきではないが、僕は健さんの諷誦は一番だと思っている。健さんはまだ若く、これからますます熟達してゆくのだろう。もの凄く楽しみである。
 最後は「権現舞」。笛方の幸雄さんから「ほら、奥さんと一緒においで」と招かれ、楽屋で待機していた。権現舞は、収師匠と康一さん。幕裏から見させてもらうというのは初めてで、貴重な経験であった。やがて夫婦共々舞台に上がらせて頂き、胎内くぐりと歯固めをしていただいた。「我が家の願が叶いますように・・・」すると権現様は「カチカチカチッ」と噛んでくださった。

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(古峰講中祭 直会をかたる「御祝(ごいわい)」)

 奉納がすべて終わり片付けが終わると、拝殿で直会が行われ、一緒にかたらせて頂いた。机には講中の奥様方がご用意くださったお重が並べられており、大変美味しかった。講中の総代さんは、以前の門打ちでもお会いしており「これを呑まんと家から出さん」と言われたユニークな方である。総代さんや憲文会長からたくさんお酒を頂き、盛り上がったところで、神楽衆きっての歌上手の志郎師匠により御祝(ごいわい)が歌われた。御祝は、直会の席で歌われる祝い唄で、岩手県内陸から沿岸にかけて広く多種多様に歌われている。御祝がないと、直会に来た気がしない位である。こうして、夜も更けて、古峰講中祭は終わりを迎えた。
 おまつりのあとで・・・近年イベントなどで神楽が舞われるが、あまり好きではない。勿論、イベント会場でも、きちんと神降ろしをし、神様を迎えて神楽を行うのだ。しかし、やはり、地域の信仰を基軸とした、おまつりの中で行われる神楽が一番好きである。故師岡和彦さんも好きだったという古峰講中祭。時代は変わったが、これからの期待の星と共に見守ってゆきたいと思った。
 さて、おまつりのあとで、私は実家に帰宅する妻を見送るべきだったのだが、呑みすぎてしまい、記憶がない。しかも、その後神楽宿で直会が行われたのだが、誰に車を乗せてもらい、酒と肴をつまんだ記憶がないのだ。しかし、なんかきちんとその様子は記録している。記憶が寸断するほど呑みすぎたのは、何ともお恥ずかしい限りである。しかも、結局宿に帰れず、神楽宿で一夜を明かしたのだ。妻や神楽衆にはこの場を借りてお詫び申し上げたい。これからは、控えめに行こうと思う。


 
※この度の写真掲載に当たり、早池峰嶽流石鳩岡神楽保存会の許可を頂き掲載いたしました。また菊池憲文保存会長、菅原正光氏はじめ神楽衆の皆様、そして講中の皆様には大変お世話になりました。この場を借りて、御礼申し上げます。 来年からも是非控えめに(笑)お伺いしたいです。 
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