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下粟代の花 うちきよめ 切り草
Tue.02.04.2013 Posted in 愛知県
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  下粟代では、正月松の内の土曜日に、切り草が行われる。切り草とは、花で用いられる、神勧請のための幣束、神の依代や祭場を構成する切り紙をいう。具体的には、「幣束」、「ざぜち」、「びゃっけ」、「神道(かみみち)」、「けえだれ」、「やつはし」、「ひいな」等である。切り草は、花宿となる改善センターで行われる。
  朝8時半、花太夫、宮人、そして花を取り仕切る花株が改善センターに集まる。

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DSC_kirikusa0004 posted by (C)dankichi0423
(うちきよめ 大祓の祝詞)

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DSC_kirikusa0008 posted by (C)dankichi0423
(うちきよめ 清めの水を撒く)

  切り草に先だって、花太夫、宮人は神部屋に集まりうちきよめを行う。塩三供、洗米、そして清め手桶に清めの水をいれたもの、榊の小枝を用意する。花太夫は、神棚に二礼二拍手一拝のあと、護身法・九字・五大尊の印を結び、宮人と共に大祓の祝詞を唱える。その後花太夫は手桶と榊を手に採り、唱えごとをしながら、清めの水を撒いて歩く。神部屋→神座→天(あま)→ダイドコ→せんじ→竃→舞庭→氏神仮宮が置かれる場所の順である。

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DSC_kirikusa0010 posted by (C)dankichi0423
(切り草 厳粛な雰囲気の中行われる)  

  うちきよめが終わると、一室に花太夫、宮人が座して、切り草が始められる。花太夫は、神勧請のための幣束類を、宮人はざぜちや花の舞の花笠、びゃっけに用いる、けえだれ、みくし、やつはしなどをそれぞれが切る。宮人は代々切る切り草が決まって受け継がれ、専売特許である。
  切り草が始まると、部屋は厳粛な雰囲気となり、息をするのも憚られる雰囲気である。

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DSC_kirikusa0015 posted by (C)dankichi0423
(切り草 手控を元にそれぞれの幣束を切る 五十余年の経験のなせる業)

  花太夫は、手控の帳面を見ながら、幣束の一つ一つをスッスッと鮮やかに切ってゆく。型紙などない。長年の経験のなせる業である。小刀一本で、切る、折る、といった造作を行うのである。一通りの幣束を切った後、竹を適当な長さで切り、小刀で切り目を入れて、幣束を作ってゆく。

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DSC_kirikusa0041 posted by (C)dankichi0423
(切り草 花の根本である大御幣を作られる)

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DSC_kirikusa0043 posted by (C)dankichi0423
(切り草 花の根本である大御幣を神部屋の神棚に飾る)

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DSC_kirikusa0044 posted by (C)dankichi0423
(切り草 神棚の大御幣)

  まずは、大御幣という花の根本となる幣束を作り、出来上がったら、神部屋の神棚に立て掛けた。

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DSC_kirikusa0047 posted by (C)dankichi0423
(切り草 辻固め幣を切って、折りあげる 繊細な造作)

  その後は、祓幣、滝幣、高嶺五天幣、辻固め幣、荒神弊・・・と作っていった。

  「ちょっと休もうか。」花太夫の一声で、私はせんじにいた花株さんに声を掛けて、お茶、お酒、灰皿を用意して部屋にお持ちした。緊張の糸が少しほぐれる一瞬だった。

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DSC_kirikusa0055 posted by (C)dankichi0423
(切り草 「みくし」を型紙に従って切る)

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DSC_kirikusa0061 posted by (C)dankichi0423
(切り草 「みくし」を折る 繊細な作業)


  再び、作業が始まった。「シモ」(屋号)の宮人さんは、「びゃっけ」やヤチ、剣の柄に用いる「片みくし」、「両みくし」、「御一力幣」を切られていた。みくしは、切り込みを入れて、折り目を幾重にも入れる。繊細な作業を淡々と行われていた。また、御一力幣は、金・銀の特殊な紙を用いる、一枚一枚慎重に切られていた。

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DSC_kirikusa0073 posted by (C)dankichi0423
(切り草 「ざぜち」を切る)

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DSC_kirikusa0072 posted by (C)dankichi0423
(切り草 「ざぜち」を切る 鳥居の紙垂はゆれているような繊細な表現)

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DSC_kirikusa0085 posted by (C)dankichi0423
(切り草 「ひいな」を折る。最も神経の使う作業)

  「ササバシ」の宮人さんは、「ざぜち」と「びゃっけ」に用いる「ひいな」を切られていた。「ざぜち」は、何枚にも重ねた半紙に、型紙で下書きをして、切ってゆく。「日月」、「宮」、「五大尊」など七種類、それぞれ細かい個所も、大胆かつ繊細に切られていた。七種類全て切り終わると、「ひいな」である。「ひいな」は、最も繊細な切り草である。何か所も細く切り、折り目を入れてゆかねばならないのだ。「ササバシ」の宮人さんは、息を殺して、「ひいな」の切り草を行っていた。

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DSC_kirikusa0089 posted by (C)dankichi0423
(切り草 花笠の花を切る)

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DSC_kirikusa0102 posted by (C)dankichi0423
(切り草 剣の柄に「みくし」を巻き付ける)

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DSC_kirikusa0112 posted by (C)dankichi0423
(切り草 割り竹で花笠の笠を作る)

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DSC_kirikusa0116 posted by (C)dankichi0423
(切り草 耳掛けを付け花笠の笠を仕上げる)


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DSC_kirikusa0117 posted by (C)dankichi0423
(切り草 二個目の花笠を作る 手前には仕上がった花笠が) 

  「ウエヒガシ」の宮人さんは、花の舞の花笠作り、ヤチ、剣の柄巻き及び紙垂付けを行われた。まず、五色の紙を重ねて、花を二つ切った、そしてそこに付ける紙垂を切った。そして、花を切った残りの紙で、小さな紙垂を作った。「『シモ』さん、できた?」ときいて「みくし」をとり、まずは剣四本にそれぞれ巻きつけた。次いで、ヤチ四本にも巻き付け、最後に切先に小さな紙垂を付けた。
  そして再び花笠作りである。まず、縄を綯い始めた。そしてそこに赤、青、白の紙を巻き付けた。次に竹を四つに割って、竹ひご状にして、輪っかを作り、そこに笠になるよう二本交差させる。そして、さっきの縄を耳掛けにして巻いてゆく。その過程で、輪っかにも縄を巻いてゆき、頭が被れるようにする。そうして最後に白い紙テープを巻き付けてやっと一個できたのが、夕方であった。

  外も暗くなってきた頃、「みなさんどうですか?今日はここまでとしますか?」と花太夫さんの声がかかり、切り草は終了となった。後できなかった部分は、花当日までに、めいめいの宮人さんが、自宅で切り草を行うのである。
  切り草というのは、一見祭具の準備とみるのは簡単だが、一つ一つが神様へ捧げるものである。大変神聖で厳粛な神事の一つであると確信した。



※この度の写真撮影、掲載に当たり、花太夫一野瀬三紀男様はじめ宮人さま達、下粟代花祭保存会長金田新也様はじめ花株の一野瀬忠義様の特別なご許可、ご理解及びご協力を得て撮影、掲載いたしました。この場を借りて、篤く御礼申し上げます。
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